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はじめに間違った知識は大きなリスクを生む建築や不動産の知識がない人が家を買おうとすれば、大きなリスクが伴う。
「知らない」ことがあるから。
そして、「間違った知識を持っていることもある」からだ。
このうち、より大きなリスクを生んでしまうのが、「間違った知識を持っている」ときだ。
例えば、マンションを買うとき。
多くの人が「東南角の住戸がベストである」という間違った知識を持っている。
東南角住戸なら朝日が入って、西日が入らない。
朝日が入るのはなんといっても気持ちがいいし、西日は入らないにこしたことはないと考える結果だ。
ところが、住戸に日が差す時間の長さはどうだろう。
東南角の住戸であれば、日の出と共に日が入ってくる。
夏ならば6時前から日差しが入ってくるのだが、せっかくの日差しの中、まだ寝ている人が多い。
日差しを享受できるのは7時くらいから。
そして、部屋の中に日が差し込むのはお昼くらいまでか、せいぜい2時くらいまで。
5時間から7時間くらい家の中が明るいのだが、午後の早い時間帯から家の中が暗くなってしまう。
これが問題なのだ。
人が「家の中が暗い」と感じるのは、多くの場合、午後である。
外が明るく、日も明るい。
明るさに慣れた午後、日が差さない室内に入ると、「暗い」と感じる。
そういう現象が東南角住戸には起きやすいのだ。
一方、南西角の住戸はどうだろう。
当然ながら、朝日は入らない。
家の中に日が差すのは朝の10時くらいから。
昼から日が沈むまでは十分に日が入り続けるのだが、朝は暗い。
それが南西角住戸の欠点とされるのだが、果たしてそれが致命的な欠点になるのか。
実は、朝起きた直後の人間の目は、それほど明るさを求めてはいない。
強烈な光より、レースのカーテンを通した柔らかな明るさのほうが心地よいものだ。
だから、南西角住戸に住むと、「家の中の暗さ」を実感することが意外に少ないのである。
また、夏の西日も、エアコンが普及した現代では気にすることもなくなっている。
だから、東南角よりも南西角を選ぶべき、と言っているのではない。
「東南角がベスト」と思い込むのではなく、以上のような事実を数多く知って、本当にベストなのはどれか自分で判断すべきといいたいのだ。
「東南角がベスト」というのは、想像から導き出される「間違った知識」。
これに対して、「南西角も悪くない」というのは、体験から得た知識。
長年、家を見てきた経験から申し上げると、後者の「体験から得た知識」には、値千金のものが少なくない。
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